平成18年9月14日(木)

産業振興常任委員会質問


百舌鳥古墳群の世界遺産登録について

Q1
 政令指定都市移行と同じ時期に、百舌鳥古墳群の世界遺産登録の動きが活発になっています。世界遺産は、1972年、ユネスコの総会で採択され『世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条例』世界遺産条例に基づいて世界遺産リストに登録された、遺跡や景観、そして自然など人類が共有すべき普遍的な価値を持つものが認定される仕組みとなっています。
 観光部の設置と同時に市民の期待と関心が高まっているように思いまが観光と言う立場から百舌鳥古墳群の世界遺産登録をどのように捉まえていますかお聞きしたいと思います。

A1
○仁徳陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群は、4世紀末から6世紀後半に造られた世界的にも貴重な歴史遺産であり、これらの歴史文化遺産を将来にわたって伝えていくことが、我々の責務であると考えています。
○現在、百舌鳥古墳群の世界文化遺産登録を目指し、考古学、都市計画等の専門家からなる「堺市歴史文化都市有識者会議」を立ち上げ、諸課題の検討を行うとともに、関係部局による庁内委員会も開催するなど全庁あげて取り組んでいるところでございます。
○特に、仁徳陵古墳につきましては、堺市文化観光戦略プランでの調査においても、堺市に存在する資源の中で、突出して認知度が高いことが明らかにされており、隣接する大仙公園及びその周辺地区には堺市博物館、茶室など堺の歴史文化を象徴する施設が集積しており、堺観光のシンボルエリアとなり得るポテンシャルを有しております。
○このことから、また他の世界文化遺産の例を見ましても、百舌鳥古墳群が世界文化遺産に登録されますと、結果として、内外の人々の堺市への来訪魅力を高めることに繋がるものと捉えております。

Q2
 堺市において、『堺・百舌鳥古墳群めぐり』と言うパンフレットを作成していますが、このパンフレットの作成目的はどこにあるのでしょうか

A2
○百舌鳥古墳群は、わが国が誇るべき歴史文化資産であり、出土品を展示している博物館を含め、我が国の古代の歴史文化を体感していただく魅力ある存在であります。
○「堺・百舌鳥古墳群めぐり」は、このように世界文化遺産登録をめざしている仁徳陵古墳に代表される48基からなる百舌鳥古墳群を紹介、巡っていただくためのパンフレットでございます。
○主な内容としては、マップによる古墳の位置と所在地、古墳めぐりとしての幾つかのモデルコースを紹介し、古墳群を訪れる方々に古墳群の理解を深めて頂くとともに、便宜を図っているところであります。

Q3
 市民の皆様や堺市を訪れた方々に数多くの古墳を巡って頂くと言うご答弁でございますが、ここに掲載されている古墳の中には現実には見ることの出来ない、見ることが困難な古墳も存在すると思いますがこの点については如何でしょうか

A3
○ご指摘のとおり、パンフレットで紹介している古墳の中には、民間敷地の中にあることから、外観さえご覧いただけない古墳もございます。
○具体には、パンフレットで紹介している古墳の中で、桧塚(ひのきづか)古墳、東酒呑(ひがしさけのみ)古墳、万代山古墳、鎮守山古墳、かぶと塚古墳の5つの古墳が、寺院や企業などの民間敷地内にあり、ご覧いただけないこととなっております。
○本市といたしましては、古墳に興味をお持ちいただいている方々に対し、百舌鳥古墳群の全貌をご理解いただくとの趣旨から、ご覧いただけないものも含め、すべての古墳を掲載しているものであります。

Q4
 『古墳めぐり』と題して配布しているのであれば行政として、全ての古墳が皆様に見て頂けるように努めるべきだと考えますがこの点については如何でしょうか

A4
○先にご答弁しましたように、これらの古墳については、広く皆様に見ていただき、わが国の古代の歴史を体感していただきたいと考えております。
○パンフレットに記載している古墳の中には、民間所有地に存在するものもあり、現在、ご覧いただけない古墳もございますが、委員ご指摘のとおり、パンフレットを作成した趣旨からも管理されている民間の方のご理解を得て、皆様に見ていただけるように努めてまいりたいと考えております。

Q5
 堺市が観光都市を目指して行くのであれば、古墳に限らず、全ての観光資源を活用するために、現状を紹介するだけでなく、行政としてもっと積極的に、民間に対しても観光資源を広くオープンしてもらうように働きかけて行く姿勢が大事だと考えますがこの点については如何でしょうか。

A5
○堺市には、大仙公園周辺の百舌鳥古墳群をはじめ、旧市街地の神社・仏閣、町家など多くの歴史・文化に彩られた観光資源があります。
○しかしながら、これらの資源の中には、ご指摘の通り非公開となっているものも多くございます。
○そういった中で、現在、北旅寵町周辺の町家については、国の重要文化財に指定されている山口家住宅の取得を契機に鉄砲鍛冶屋敷で有名な井上家などの町家の活用方策について調査研究し、非公開施設の公開に向けた取り組みに着手したところであります。
○その他の施設につきましても、所有者に対して、公開に向け積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。


(要望)
 世界遺産登録には、大きな意味を持っています。登録遺産の分類についても、文化遺産、自然遺産、複合遺産、などに分類されています。文化遺産とは、すぐれた普遍的価値をもつ建築物や遺跡など。自然遺産とは、すぐれた価値をもつ地形や生物、景観をなどもつ地域。複合遺産とは、文化と自然の両方を兼ね備えるもの。危機遺産とは、後世に残すことが難しくなっているものとなっていますが、百舌鳥古墳群の世界遺産登録は文化遺産登録になると思います。
 先程の答弁にもございましたが、世界遺産登録の意義は全世界の人々に堺市への来訪魅力を高めてもらう、世界レベルで評価される文化遺産を保有する町であることを認めてもらうことなのです。
 私は、先日、産業常任委員会の視察で、長崎県の『さるく博』の見学に行って参りました。『さるく』とはぶらぶらと出歩くことであり出歩くことを九州の方言で『さるく』と言いますので、長崎のまちを見て回る博覧会だと言うことです。
 三ヵ年の事業計画で、16億4000万円が総事業費で、そのうち4億6000千万円が、まち歩き観光ルート整備事業に当てられていました。観光部の職員は従来30人、これだけでは出来ないので、プロデューサーについては市民公募、宣伝活動などはスポンサーとタイアップして、ほとんど無料で行われており、40万人からなる、市民をサポーターに取り付けた組織構成は珍しいとあってマスコミが積極的に協力してくれたそうです。
 施行期間を2年間と設定し事務局としてはタイトなスケジュールだったがまち歩きの楽しみについて、市民の理解を得るために時間がかかったとおっしゃっていました。
 コースと隣接する住民からは、『知らない人に生活を覗き見される』とい先入観があり、被害者的な市民意識を取り除くために担当者は大変苦労されたそうです。地元に何度も足を運び、地元自治会にも参加して理解してもらえるよう、何度もまち歩きに同行し、2年目になって少しずつ市民の協力が得られるようになったとの事でした。
 何度も同行し市民の抵抗感を払拭した結果、最後にはコースの案内版を取り付けるのに自分の家の壁を提供してくれたり、必要な時には個人のトイレを提供してくれるまでになったとの事でした。
 観光ガイドも工夫されていまして、町を探索する40コースが設定され70もの専門的なマニアコースも設定されていました。ボランティアコースガイドの資格取得にも工夫がこらされ、全てのコースガイドが出来なくても自分の得意とするコースのみを担当するようにして、短時間の講習でコースガイドの資格取得出来るようにして、コースガイドと言えば人生経験豊富な人、つまりお年を召された方にしか出来ないという感覚を払拭して、大学生の若いコースガイドの協力も得られるようになったとの事でした。
 市民との協働の成功例だと感動を致しました。

 堺市が観光都市を目指すことに対して、市民と行政との意識レベルに格差があると思います。この格差をどのように是正して行くかが大事な取組であると思います。
 堺市を訪れた方々に、気持ちのいい町だと言ってもらうためには、市民の『もてなしの心』が来訪者に届くかということです。
 堺市文化観光再生戦略プランの中でも、旧市街地、環濠エリアの魅力の再生などを掲げていますが、そこに生活する市民が行政と共に、観光都市をめざす気持ちを持って頂かなければ、観光に訪れた人々に堺市と言う町に魅力を感じてもらうことは出来ません。
 観光資源の魅力だけで堺市は素晴らしいと言ってくれるわけがないのです。コースだけでも駄目なのです。商売する人も、宿泊するホテル業界も、商店連合会も、市場連合会も移動手段となるバスやタクシーも、地域自治会も、企業も商工会も楽しいまち、堺にするために何が出来るのか、官民一体となって努力すべき時です。
 堺市文化観光再生戦略ブランの中で、市民への協働のための協力要請がどれだけ具体的に示されているか検証し、もし具体的協力要請が少ないとか、展開する為に職員の人数が少ないとか言うような場合には、組織の再編も検討され、世界遺産登録の実現と『もてなしの堺』として世界に発信できるように観光部と連携を図り結果が付いてくる事を要望し質問を終わります。

18年度の世界遺産登録の予算化
    全    体 12,860,000円
    国際古墳会議 10,000,000円
    有識者会議   1,350,000円
    事 務 費   1,510,000円

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